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骨が少なくてもできるインプラント治療

骨が少なくてもできるインプラント治療の種類

骨が少なくてインプラントできないと言われた方、骨が少なくてもできるインプラント治療があります。それぞれ詳しく説明します。

サイナスリフト

「サイナス」とは、副鼻腔のひとつである上顎洞のことです。上顎の小臼歯部、大臼歯部の直上、クルミ大の空洞になっていて風邪などから炎症が波及して蓄膿症を起こす場所です。ほとんどの人が、上顎の臼歯の根が上顎洞に近接していたり洞内に入り込んでいます。自分の組織なので問題ないのですが、インプラント体をそこに突き刺すわけにはいきません。

インプラント埋入に先立って、上顎洞粘膜を少し持ち上げ人工骨を補填して12mmや14mmといったインプラント体が十分埋まるだけの骨の厚みを造成する処置をサイナスリフトといいます。

ソケットリフト

サイナスリフトと同じく上顎にインプラントを入れる際、骨の厚みが少なく埋入できない場合に行う手術です。オステオトームやソケットリフターとよばれる専用の器具を使って、上顎洞底部の骨を押し上げ、押し上げた部分に人工骨を入れる手術です。

サイナスリフトとの違いはインプラントを埋める孔から処置する場合をソケットリフト、上方の頬部の骨を開窓して人工骨を填入する場合をサイナスリフトといいます。通常ソケットリフトのほうが侵襲が少ないので、まずはソケットリフトを検討します。元の骨が5mm程度以上あり、初期固定が得られる場合はソケットリフトができます。骨が脆弱であったり4mm以下の厚みであったりする場合はサイナスリフトになります。

リッジエキスパンジョン

インプラント体は、元々あった歯と同じ位置に埋めるのが理想ですが、歯を失うと歯槽骨はどんどん吸収してその高さ・幅が減少してゆきます。幅の細くなった骨に埋めるために骨を押し広げて、埋めるためのスペースを作りインプラントを固定するテクニックです。

  • メリット

    インプラントを支える骨が増えるので、より丈夫になります。前歯部に行う場合にはより審美性が高まります。

  • デメリット

    繊細なテクニックが必要でやや難しい施術です。期待通りの結果が必ず出るとは限りません。

料金

1歯につき30,000円~50,000円

フラップレスサージェリー

インプラントを埋めるときに、まず粘膜を切開・剥離して骨を直視できるようにしてから孔を開けますが、粘膜を切り開くと術後、痛みや感染の危険が増えます。それを避けるために予め3DCTなどで、埋入位置・方向をシミュレーションしておくことで粘膜の剥離をおこなわず、粘膜上から埋入孔を開けることで侵襲を少なくできるメリットのある方法です。

  • メリット

    粘膜を切開しないため侵襲が少なく、回復も早いです。終ったあと、痛みがほとんどありません。

  • デメリット

    事前検査が不十分だと、期待通りの結果が得られないことがあります。インプラント症例に熟練した医師でないと失敗する可能性があります。

料金

80,000~100,000円

オステオトームテクニック

骨は、表面の皮質骨・内部の海綿骨とに分かれますが、海綿骨は意外に柔らかく金属の棒で押すとへこんでくれます。孔を開けるときドリルで開けるといろいろなデメリットがあるので、金属の棒状、針状のオステオトームという器具を使い、押したり・もんだりして孔を開けます。骨を圧縮することにより周りが硬くなったり、膨れて盛り上がったりして骨が少なくなりません。骨が少なかったり、ソケットリフトをするときなど有効なテクニックです。

  • メリット

    ドリルよりも安全に施術を進めることができます。元の骨量を減らさずにインプラントを行うことができます。

  • デメリット

    ドリルで切削するよりも時間がかかります。どんな症例でも適用できるとは限りません。

料金

1歯につき50,000~150,000円

歯肉移植術

インプラントで歯を入れたとき機能的のみならず、美容的に自然な歯茎の形態である必要があります。場合によっては、不自然な歯肉形態を改善するため隣の歯肉を一部分切り取り、足りない箇所に引っ張り再付着することで歯肉形態を改善できる場合があります。
また口蓋部の粘膜から切り取って移植したりすることもあります。

  • メリット

    審美的に重要な部位で行うと、より完成度の高い美しさを得ることができます。

  • デメリット

    手術の回数が一回増えることになります。必ず期待通りの結果が得られるとは限りません。

料金

100,000~200,000円

スプリットクレスト

リッジエキスパンジョンと同じく、骨の厚みが薄くそのままではインプラントが埋入できないような症例のとき使うテクニックです。たとえば骨の厚みが3mmの場合、4mmの直径のインプラントは入りようがありません。そこで3mmの骨を2枚に割り、広げていきその2枚の隙間に埋めようということです。
2枚に分割するときは細いタービンバーを使って表面の硬い皮質骨にスリットを入れボーンスリッター・エキスパンダーなどで徐々に押し開いてゆきます。途中で骨が割れることがありますが、当院独自の方法でインプラント体と一緒に割れた骨も固定してリカバリーすると、6ヵ月後には完全にしっかりくっついてくれます。

  • メリット

    インプラントを支える骨が増えるので、より丈夫になります。前歯部に行う場合にはより審美性が高まります。

  • デメリット

    繊細なテクニックが必要でやや難しい施術です。期待通りの結果が必ず出るとは限りません。

料金

1歯につき30,000円~50,000円

ソケットプリザーベーション

抜歯したあとの歯槽骨が吸収することを防ぐために抜歯した直後、穴の中に人工骨などを填入しておく方法です。

  • メリット

    インプラントは骨が多いほうが後に入れるインプラント体をしっかり固定できるので、抜歯後の骨吸収を防ぐことが有利に働きます。比較的簡単な手技で行うことができます。

  • デメリット

    抜歯直後でないと行えない方法のため、事前にしっかりとしたカウンセリングと治療計画が必要になります。

料金

10,000~20,000円

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